レーザーで活性酸素を発生させる がん治療法

患部に白血球を集めがん細胞を撃退

光線力学療法は、がん治療などに使われている治療法。PDTとも呼ばれ、光線力学的療法ともいわれる。 がん患者に対して、がん細胞に集まる性質のある薬品を投与し、弱いレーザー光を照射することで投与した光感受性物質から活性酸素を発生させ、この活性酸素によってがん細胞を駆逐させる治療法。

低出力のレーザーを使うため、正常組織へのダメージを最小限に抑えることが出来る。早期の食道がん胃がん・子宮頸がん・加齢黄斑変性に保険適用されている。内視鏡で病巣が確認できることが治療の条件。

近年は発生する活性酸素が感染症への治療効果も持つことが発見されて、適用範囲が増えつつある。

最新鋭の高精度X線がん治療

初期のがんを3ミリ径のピンポイントで狙う、最先端のがん治療技術が開発された。

北海道大学が中心となって開発を進めてきた最先端の高精度X線がん治療機は、照射されるX線が3mmと従来の半分になっている。これによって、従来の直径6mm程度のX線ビームではがん細胞の周囲にある正常な組織を傷つけたが、新型機であればピンポイントでX線を狙い撃つことが容易になった。

さらに、照射機に装着されたアームで、上下左右前後の周囲の全ての方向から患者にX線を当てることが可能であるため、患者はあおむけの状態のままに体を動かさず治療を受けられ、負担が軽い。

従来の放射線治療は、35回も治療をする必要があったが、この新型の高精度X線治療機ならば、1cm程度のがんに対して、がん部位によらず約15分で治療が完了するという。

世界で初めての新型放射線治療機器は、海外の医療機関で臨床実験が進められる予定で、数年後には入院せずに切らないがん治療ができるだろう。