健康食品のがん治療効果を臨床試験

まいたけエキスの固形がん(肺がん, 胃がん, 乳がんなど)に対する作用効果を検証する臨床試験が実施される。

今回の臨床試験は、米国テキサス州ヒューストンの、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(University of Texas, MD Anderson Cancer Center)で、進行性がん に対して実施される。この臨床試験で確認されるのは、まいたけ抽出物の各種抗がん剤の効能改善と、副作用の軽減作用だ。

具体的には、抗がん剤の「アザシチジン」で がんマーカーが顕在化したがん細胞に対して、免疫を制御する「レナリドマイド」と「まいたけ抽出物」投与し、骨髄細胞の分化増殖促進作用が検証される。さらに、キラーT細胞やナチュラルキラー細胞などの免疫細胞がマーカーを顕在化したがん細胞を攻撃するという免疫調節作用を検証することも目標とされている。

まいたけ抽出物は、ベータグルカンを主成分とした健康食品の一種で、株式会社雪国まいたけが「MDフラクション」として 製造販売している。

「MDフラクション」は10年間以上の基礎研究を経て、 2008年にニューヨークのスローン-ケタリング記念がんセンターで 元乳がん患者を対象としたP-I/II臨床試験も実施している。

株式会社雪国まいたけ では、今回の臨床試験に対して、自社が日米で製法特許を有する マイタケ抽出物の健康食品「MDフラクション」を提供し、治験成果から 統合医療への健康食品の拡販を期待している。

既存抗がん剤の効果が上がる 新投与法

使う抗がん剤は同じでも、投薬法で高い効果を上げる新しいがん治療法が実践されている。

既存のがん治療薬を用いた「時間治療」とは、抗がん剤治療薬を「深夜」に投与するだけの治療方法だ。驚くべきことに投与する時間を「深夜」へ変えるだけで、がん患者の生存期間の延長や、関節リウマチのつらい痛みや腫れがおさまるなどの効果が上がる。

健康診断で肝臓がん が発見されたが、がんが大き過ぎるために手術は無理とされていた男性は、「時間治療」による抗がん剤投与で がん細胞が収縮した。以前の病院では効果が無かった同じ抗がん剤を、「時間治療」を採用している病院で、それまでの抗がん剤の1.5倍の量を深夜に投与すると、数ヶ月後にがん細胞を縮小できたのだ。

関節リウマチに対しても、「時間治療」は有効だ。長年リウマチに苦しんできた70才の女性が、従来と同じ薬を、飲む時間を朝昼2回から”夜寝る前の1回に変更”しただけで痛みの症状が激減する効果が得られた。

がん治療に「時間治療」が有効である可能性は高まっているが、実施できる病院は限られる。深夜に実施されるために医療スタッフの確保などが困難だからだ。

しかし、がん患者にとっての新治療法は価値ある情報で検討に値するだろう。